すべてのはじまりは『清航館』の衝動買いから。

いわき市の沿岸部、小名浜より5キロほど北に「中之作」という地域があります。

震災直後に訪れたときは 
【津波被害を受けてはいるが構造がしっかり残っている建物が多く、 どこよりも早く復興する地域になるだろう】
 と感じるほどの力強さがこの地域にはありました。

震災後に襲ってきたのが解体助成です。
市内に現存していた多くの再生可能な建物の多くが、無償解体制度により次々壊されていきました。
震災から数か月後に中之作を訪れると、多くの建物に【解体申請】の赤札が―。
現在『清航館』となっている建物も、解体の危機にありました。

私たちはすぐに『清航館』の所有者さんと連絡を取り、 震災からわずか8か月後の2011年11月に建物を譲り受ける事が出来ました。 

その後、この『清航館』を舞台にはじまったのが、中之作プロジェクト。
中之作プロジェクトは「被災古民家の衝動買い」から始まったNPO法人なのです。

被災直後の清航館

住民参加型で修復

建物を譲り受けたものの、修復する費用の目途もなく、活用方法もノープラン。

そこで、『清航館』はあえて【保存のための保存】から始めました。


そして、住民参加の修復作業自体を、地域の復興のシンボルにしようと思いつきます。

どろんこをこねて壁を塗った人、床を塗装した人、襖を張り替えた人… 
多くの方に『清航館』の修復作業にご参加いただき、建物を完成させることができました。

そして、肝心の建物の活用方法は、作業に参加頂いた方の意見を参考にして決めることに。

こうして、自ら修復~活用方法の決定まで関わっていただいた参加者の皆さんには、
それぞれ建物に愛着を持っていただいており、建物の完成後も多くの方が度々『清航館』を訪れてくれます。

もしかしたら、『清航館』は所有者でも簡単には壊せない建物なのかもしれません。
2年半の修復作業に参加した1,000人を超える方々の思いにより、建物が強くなったのです。

『清航館』の修復作業で培った古民家・空き家再生のノウハウは、
その後、二軒目の再生物件 “海が見えるカフェ『月見亭』” や、
三軒目の再生物件 “シェアハウス『コウノヤ』” でも活かされています。

『清航館』の修復作業の様子。


中之作空き家再生物件

レンタル古民家『清航館』  ホームページはこちら 



シェアハウス『コウノヤ』 ホームページはこちら

海が見えるカフェと農園『月見亭』 Instagramはこちら
                 Facebookはこちら